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書ぽコンコラム第1回 『 なろうの流行に合わせてわざわざ長いタイトルにしてやってるのになぜかポイントが跳ねないあなたのためのタイトル講座(1)』


「長文タイトルが流行ってるはずなのに、なんでワイの作品は伸びへんのや……」
『小説家になろう』に投稿している方で、こんな悩みを抱えている人は多いと思います。

2017年以降の投稿長編は「すべて」日間総合ランキング上位入り&書籍化し、複数作品のコミカライズも達成しているライトノベル作家の遠野九重が、流行がどれだけ変わろうとも対応可能なタイトル・あらすじ・書き出しのノウハウをお教えします。

スライド1

このコラムは連載形式ですが、内容としては上記のものを予定しています。

すべてを読み終えたころには「タイトル・あらすじ・書き出しはこう書けばいいんだ!」と自信を持って投稿できることでしょう。
ちなみに「時間がないから要点だけつまみ食いしたい」という人はところどころに挿入してあるスライド画像だけを飛ばし読みしてもOKです。

では、始めていきましょう。

このコラムはもともと、Twitterでのツイートがきっかけでした。
画像A

RT、いいねともになかなか良好ですね。プチバズと言ってもいいでしょう。

一方、似たようなツイートのこちらはイマイチの反応です。
画像B


両者の違いはどこにあるのでしょうか?

実は「なろうの流行に合わせて~」のほうは、長文タイトルのコツを使っています
一方で「なろうの流行に逆行した~」は意図的にコツから外しています。

これからどのようなコツを使っているのか説明していきますが、そのまえにひとつ、頭に置いてほしいことがあります。
Webにはたくさんの『なろう攻略法』があります。

「いろいろと試してみたけどダメだった……」という方もいらっしゃるでしょう。
なぜダメなのか、そしてどうすればいいのか?
きっちりと踏み込んで語っている『なろう攻略法』は今のところ何も存在しません。

悲しいことに「自分を捨ててランキングに合わせろ」か「とにかく書け」の二択になっているのが現状です。

まずは下のスライドをご覧ください。

スライド2


スライド3


スライド4


スライドに示しましたとおり、大切なのは「自分の言葉」を使うことです。

(物書きが「自分の世界」「自分の言葉」を持っていないのは論外だろう……という話もありますが、それはさておき)
すべての創作論は「あなたの世界」「あなたの言葉」を磨くための砥石です。

もちろんこのコラムも例外ではありません。

たとえば、自分なりの言葉で解釈した結果をTwitterで語ってみる。
あるいは、「これは違うだろう」と思ったところをnoteに詳しく書いてみる。

そうすることによって、しっかり糧にしてください。

(「いろいろな創作論を試してみたけどダメだった……」という方は、これまで集めてきた創作論を振り返って、自分なりの言葉でひとつにまとめるのも有効ですよ!)

さて、本題に戻りましょう。

『なろうの流行に合わせてわざわざ長いタイトルにしてやってるのになぜかポイントが跳ねないあなたのためのタイトル講座』のなかに使われているコツは複数ありますが、重要なのは3つです。

1.「ありいそ」の法則
2.「石油王の体験談」の法則
3.「明るい未来にレディーゴー」の法則

まずは1.「ありいそ」の法則です。
「ありいそ」というのは「実際にありそうなシチュエーション&実際にいそうな人物像」の略称です。

なろうの流行に合わせてわざわざ長いタイトルにしたのにポイントが跳ねない……こんなシチュエーション、実際にありそうですし、そんな状況に苛立っている人も実際にいそうですよね。
こういった「実際にありそうなシチュエーション」と「実際にいそうな人」をタイトルに盛り込むと、読む側の脳内に具体的なイメージが浮かびやすくなります。

人間というのはイメージが浮かぶと、それが正解か否か知りたくなる生き物です。
結果、タイトル→あらすじ→本文……という流れに繋げやすくなります
(これは「短いタイトルで一発カマしたい!」という方にもオススメのテクニックです。

短文・短フレーズのタイトルで日間総合ランキング上位に入るものは、わずかな言葉でイメージの喚起に成功しているので、学ぶものがすごく多いですよ!)

なお、類似テクニックとして「がちがち」の法則があります。
こちらは「ありがちなシチュエーション&ありがちな人物像」の略称です。

たとえば「外れスキルを理由に冒険者ギルドから追放される」というのは『小説家になろう』にありがちなシチュエーションですよね。「追放されたのを機にスローライフを送りたい」というのもありがちな人物像です。

こういった、ありがちなシチュエーションとありがちな人物像を組み合わせてイメージを喚起する、というのも一つの手段です。というか『小説家になろう』ではこっちが主流ですね。

いわゆるホットワード……《追放》・《賢者》・《外れスキル》・《スローライフ》・《悪役令嬢》などは、『小説家になろう』にありがちなシチュエーションor人物像を表現するものです。

「ランキングに入りたければホットワードを盛り込め」というアドバイスはよく耳にしますが、実際に調べてみると、ホットワードを組み込んでいるのにポイントが跳ねていないものも存在します。
そういったものはシチュエーションと人物の片方だけしか押さえていないか、その組み合わせが悪くて、読者がイメージを浮かべにくくなっていることが大半です。

ただ漠然とホットワードを入れても、イマイチ効果を発揮しません。

「ホットワードを入れるのは、読者にイメージを浮かべてもらうため」
という、本質を理解することが何よりも大切です。

なお、ホットワードなんか使いたくない! という人にお伝えしておきたいのですが……
「ありいそ」だけでも十分に日間総合ランキング・週間総合ランキングの上位に入ることは可能です。

自分の話になってしまいますが『小説家になろう』初投稿作の『張り合わずにおとなしく人形を作ることにしました』や、最新投稿作の『役立たずと言われたので、私の家は独立します!』はホットワードをまったく入れていません。「ありいそ」だけで構成しています。
ですが、投稿から3~4日程度で日間総合ランキング1位、その後、週間総合ランキング1位の成果を出しています。

(どこが「ありいそ」なのかは次回以降に説明します。よければ考えてみてください)

さて、このコラムですが「多くても3000字が見やすいカナ」というアドバイスを運営さんから頂いております。
気が付くと2700字を越えていますし、ひとまず今回の内容をまとめておこうと思います。
スライド5


スライド6

スライド7


最後にちょっとだけ補足です。

今回は「ありいそ」と「がちがち」の法則について紹介しました。
「じゃあ、どっちを使ったらいいの?」と疑問もあるでしょう。

答えとしては、まずは「ありいそ」「がちがち」両方を組み込んだタイトルを目指してください。
難しそうなら片方だけを達成しましょう。そして達成できなかった部分はあらすじとタグで補います。

また、日間総合ランキングを見るときも「ありいそ」「がちがち」を意識すると、自分がタイトルを付けるときの参考になります。
上位5つだけで構いませんから、どこが「あり」「いそ」「がち」「がち」なのか考えてみてください。

1週間続けるだけでも、あなたのセンスは必ず磨かれます。


以上となります。


次回も、できるだけ具体論に踏み込んでお話していきたいと思います。
ぜひお読みくださいませ。






[追記]

書ぽコンの審査では「タイトルからどれだけのイメージが浮かぶか」をひとつのチェックポイントにしています。
もしあなたが

「『ありいそ』も『がちがち』も知るか! もっといい方法があるぜ!」

という場合は、それを使ったタイトルにしてもらってもOKです。

ぜひ「あなたの世界」と「あなたの言葉」を見せつけてください!
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